実年齢で輝く女性を応援するというブランドのDNAを受け継ぎながらも、『ザ・クラス』では、ドゥクラッセが誇る匠集団とともに〝最良のものづくり〟を追求し続けていく――。ドゥクラッセ代表の林恵子はそう宣言します。クリエイティブディレクターを務めるのは、創業当時からドゥクラッセを支えるデザイナー・谷川順子。ファッションを愛する盟友ふたりが新たに取り組むのは、「本当に価値あるものを知る40代、50代の女性たちが自分らしくいられる服」。それは自分たちが今、本当に着たい服は何かを考え、辿りついた答えでもあると言います。

多様化する女性の生き方にフィットする洋服を

 今は世の中の動きがどんどん速くなっていて、ファッションの世界もここ数年で大きく変化した感がある。私自身、どんなに美しくても窮屈な服は着られないと感じていたから、より心地良くという流れにはとても共感するし、「軽さ」や「抜け感」という表現も新鮮よね。ただ一方で、ラクに着られる服なら何でも良いというわけでもなくて。

谷川 今の40代以降は若い頃、世界の一流ブランドに触れてきた世代だから。着心地の良さはもちろん、できれば価値あるものであって欲しいし、トレンドも適度に意識している人は多い。

 女性の生き方が変わったことも影響しているんでしょうね。07年にドゥクラッセを創業した頃の日本人女性の就業率は約6割だったけれど、今では70.9%(2019年総務省統計局「労働力調査」速報より)。企業でも今は多くの女性が役員クラスで活躍しているし、医者や弁護士、税理士、公認会計士といった士業の女性もすごく増えている。

谷川 だからこそ、洋服を着るオケージョンもニーズも、多様化しているんでしょうね。

 なかでも、周りの役員クラスの女性たちからは、「着るものがない」という声をよく聞くの。濃色スーツの男性が集う会議に、カジュアルな服装では乗り込めないし、リクルート的なスーツも違うと。

谷川 だからといって、ハイブランドで探すとすごく高いし、選択肢も限られてしまうしね。

 特に最近のハイブランドの服はエッジが効きすぎていて、大人世代には着こなしが難しい。

谷川 そもそも日本女性の体型に合わせてつくられていない上に、年齢と共に体のラインも変わるから。

 やはり日本ブランドの方が日本女性のボディラインをきれいに見せるのは上手。でも、これだけファッションが溢れていても、大人向けで、トレンドも押さえた服となると、まず見当たらないのよね。

谷川 かといって、若い世代向けの服を大人が着ると、どこか無理して見えてしまう。

 そう。あとは価格も重要で。今は皆、お金の使い方にも自分なりの基準を持っているでしょ? 20万円の服を5着買うなら、1着5万円に抑えて、浮いたお金を旅行や学ぶことに使いたいというように。とても賢いし、冷静。

手の届く最高品質こそドゥクラッセの真骨頂

谷川 世代に共通するニーズとしては、忙しいから手間暇かけず、かっこよくキマる服が理想ということは言えると思う。体型の悩みを一瞬でカバーし、スタイルアップして、くすんだ顔色も明るく小顔に見せてくれるような。

 個人的に大好きなのは、フィービー・ファイロがクリエイティブディレクターを務めていた頃のセリーヌの世界観。削ぎ落としたデザインで、知的でフェミニン。ああいうファッションが手頃な価格であればいいなと思っていて。でも存在しないから、自分たちでつくろうと踏み切った。

谷川 大事なのは、大人世代の体型の悩みをどうカバーし、いかに美しく見せるか。良い素材を厳選し、コストを極力抑えてつくるというすべての工程で、ドゥクラッセが培ってきたノウハウが生きてくる。

 あなた自身が得意とする領域でもある。私がドゥクラッセを始めようと思ったのは、谷川順子という存在があったから。ものづくりにこれほど長けた人がいるなら、本当に良いものを届けられると思えた。

谷川  若い頃、良い勉強をさせてもらえたから。

 ファッションを得意とするアメリカの高級百貨店が約30年前に日本進出した時の話ね。来日したファッションディレクターが日本のファッションをリサーチして「このジャケットを作った人を探して」と言ったのが、谷川順子のデザインしたジャケットだった。

熱量は人を動かし良いものは良いものを呼ぶ

谷川 あの経験は一生の財産だと思っている。世界中で買い付けた一流ブランドの服が、私のもとに届けられて。「パーツにバラして構わないから、とことん研究して服づくりに活かしてほしい」と。

 生地の勉強もその時に?

谷川  そう。サンプルの生地をもとに、テキスタイル会社の当時の部長が徹底的に分析して素材を開発して下さったの。おかげで、元の商品の4分の1の価格で販売が可能になった。

 あの方は、テキスタイルの天才ね。

谷川  ドゥクラッセの仕事をしているけれど、紙にデザインを起こすのではなく、実際の商品を見ながらカッティングして、日本人の体型に合わせてサイズやディテールを調整していくスタイルは、当時から変わらない。自分が納得できるまで何度もやり直しさせるから申し訳なく思いつつ、仕事で妥協はしたくないし、周りの人たちも皆、仕事にプライドを持って、こちらの求めることに応えてくれる人たちばかり。

 良いものをつくりたいという熱量は必ず伝わるから。その熱はきっと、洋服をまとう人にも伝わると私は信じているの。広告代理店に営業として就職した25歳の頃、一張羅でいいから一番良い服を着て出社しなさいと、上司から言われたことがあったのね。「服には福をもたらす力があるから」って。その教えはずっと心に残っていて。

谷川  確かに、洋服に力をもらうという実感や経験は割とあるわね。

 一言で表わすなら、波動の原理。良いものは良いものを呼ぶ。『ザ・クラス』の洋服も、服づくりの匠たちが知恵と技を結集して素材を厳選し、カッティングを追求し、工程を吟味し、徹底的にコストを削減してつくりあげたもの。良いものを知り尽くしたお客様に喜んでいただけるよう、お客様の期待を超え続けるものづくりをお約束します!