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日本の匠「カネマサ」~インタビュー~



百間谷:私の祖父が1964年に創業した当初から「ユニークであること」を目標に掲げ、オンリーワンの生地づくりに邁進してきました。世の中にないものを作るというフィロソフィーは今でも受け継いでいます。
「世の中にない」というのは、ただ斬新なものではなく、それが「消費者にとって本当に価値があるものか」をしっかり見極めるようにしています。そのうえで、世の中のニーズを生みだす努力をしています。例えば、カネマサが始めるまでは、布帛調のハイゲージのアウター、ジャケットやパンツは世の中になく、ニーズもなかったと思います。でも、これを「欲しい」と思えるニーズにすれば必ず価値になると信じ、試行錯誤しながら作り続けました。

百間谷:カネマサだけのハイゲージジャガード編み機を別注して一から作る時にこだわったのは、「天然繊維を編める」ということです。毛羽のないポリエステルやナイロンなどの化繊を編むハイゲージ編み機はありましたが、毛羽の多い天然繊維はハイゲージでは編めないと言われていました。なぜなら、ハイゲージの針はとても細く、ほんの少し毛羽があるだけで針が曲がったり、針と針の隙間にほこりが入り込み、針が浮いたりするからです。それを克服するために、針を別注にするなど企業秘密の様々な対策を講じました。
編み機によって得手不得手があるので、いろいろと独自のカスタマイズをしています。複雑で多様なハイゲージ編み機を操るには、職人の高い技術が欠かせません。

百間谷:ハイゲージ編み機に特化した職人というのは、本当に狭き門で、若くて熟練していないとダメですね。手先が非常に器用で、目がいいことが大前提です。例えば、46ゲージでいうと、直径77㎝ぐらいの中に4344本もの針が入っています。綿を100反編んだだけで針が全部浮いてきます。それを1本1本すべて抜いて、手で1本1本掃除します。そして、コンマ何ミリの針の曲がりをチェックして、使えないものは外して新しい針を1本ずつ手作業で入れ替えてという、非常に手間がかかるメンテナンスやセッティングを行います。それは、とてつもなく細かい技術を要し、編み機の構造を理解して作業するというのは数学的センスも必要で、ひとつの作業に何時間も向き合い続けられる我慢強さも求められます。それらすべてを持ち合わせ、高度な技術を身につけたカネマサ職人が、カネマサの品質を支えてくれています。

百間谷:表面感に凹凸がある今回の生地を作れるようになったのは2、3年前ですね。フラットな生地の柄物はありましたが、凹凸のある柄物の生地づくりが可能になったのは、編み機を独自に改造して、糸を送り込む特別な給糸装置を取り付けたことで実現しました。例えば、給糸口の個数が90口だと、90個すべての給糸のテンションやスピードなどをひとつひとつ数値化して遠隔でコントロールできる装置です。オリジナルのハイゲージジャガード編み機で、しかも特別な給糸装置が付いている最新の設備は世界中でカネマサにしかないもので、それを使い複雑な編みで柄を表現した今回の生地は、本当に希少価値のあるものです。ジャージなのに布帛のような高級感があり、肌離れもよく、高温多湿な日数が増えている日本にまさに適した生地だと言えます。

https://kanemasa-inc.jp
